1年前から雨漏りで相談を受けていた物件。
4階建ての収益物件。
築年数も古いけれど、雨漏り歴も随分長いそう。
5年ほど前に他業者さんで塗装され、一時的に止まっていたそうなんですが
昨年あたりからまた雨漏りがしはじめたとのこと。
全体に傷んでおり、
「ぼちぼち外壁改修工事(防水工事も含む)では?」
が、正直なところ。
収益物件という性格上、運用という側面も出てくるので
今後の予定(建て替え等も含めて)や予算的なこともあり、
いくつか方法を提案したり相談を受けながらの1年。
入居者さんに漏れた箇所を見せて頂きました
これは以前の雨漏りの痕。壁や天井がシミになっています
水捌けが悪いためか、雨降りののち数日は水が溜まっていて
直接関連があるかは分からないものの、気になる
見た感じでは、どの部屋から雨漏りしてもおかしくない状況。
仮に今、雨漏りしていなくても、今後雨漏りする可能性はどの部屋にもあると思われます。
今後の方針によって、メンテナンスの提案も変わってきます。
建て替え → 取り壊しのその日まで費用は最小限に抑える方向
最悪、雨漏りしている部屋の入居者さんに他の空室に移っていただき、
そのまま何もしないという手も
このまま使用する → このままでは傷んでいく一方なので、
これ以上建物が傷まないためにも手をかけていく
建て替えなどの今後の方向性は現時点では決めきれないとオーナーさん。
とはいえ雨漏りが続くのも考えもの。
今回は折衷案ということで
ひとまずこの1面(西面)のみ、外壁改修工事をすることで話がまとまりました。
ただし、屋上やベランダの柵、笠木など他の部分の劣化も激しいので、
今回の工事で雨漏りが止まるかどうかは微妙・・・という念押しの下で
2)外壁調査
パラペット部分
酷い傷みようですが、妙に納得。
というのも、ここまで傷んでいると、ひび割れや捲れている部分の全てが
雨水の侵入口であり、また出口でもあるから・・・。
つまり雨水がクラックから入っても別のクラックから抜けて出てしまうので
すぐ下の4階部分には雨漏りが無いのかも!?・・と。
でもこの状態に至るまでの間に、きっと何かしらあったはず・・・色々思う。
青い点々はエポキシ樹脂注入が必要な部分、
シ は シーリング
V は Vカットシーリング
3)下地補修
調査に基づく指示に従って、下地補修を行います。
エポキシ樹脂注入
振動ドリルでの穿孔終了後
5)高圧洗浄
同時に雨漏りは無いか、漏れていた箇所を中心に水をかけ、チェックしながら行います
6)外壁塗装
補修を行った部分を砂骨ローラーによる模様合わせ
下塗り
躯体を保護する力を高めるため、下塗りは2種類、2回
1回目
中塗り
塗装しない部分との兼ね合いもあるので、周囲と馴染む色に
最終的にもう一度、今回の施工部分に散水による雨漏りチェックを行い、
雨漏りの無いことを確認したうえで
工事完了
オーナー様、ご入居の皆様、どうもありがとうございました。
お盆休みの頃から1週間以上雨が降り続いていますが
雨漏りが止まっているようで、ホッとしています。
お盆明けから雨漏りの新規問い合わせが増えています。
一昨年あたりから雨の降り方には
想定を超える量・激烈さがあり、尋常ではないものを感じます。
お問い合わせの際には、
写真や動画で雨漏りの様子を撮っておいてくださると大変参考になります。
そして、どのような雨で漏れるのか
(大量に降ると漏れるのか、吹き降りの雨で漏れるのか・・等)
大まかに観察しておいて下さるとありがたいです。
雨、いつまで降るのでしょうね?
遂にまた緊急事態宣言下に突入してしまったコロナウイルス、
そして、いつ止むともしれない雨、
明るいニュースが欲しいですね。