さて、工事が始まりました。

屋根工事

まずは屋根から。
お借りした裏の敷地から梯子を掛けさせて貰い、
瓦や土を降ろしたり新しい材料を上げたりします。

瓦降ろし・土降ろしの期間は埃が舞うため
防塵シートに加えて、ブルーシートで足場を覆い作業に入りました。
お隣の方には洗濯は部屋干しで過ごしていただきました。
本当にご迷惑をおかけしました。

瓦とその下の土を降ろします

更に、屋根裏も清掃。

屋根の下地がどこまで傷んでいるか、
実際に瓦を降ろし、下地や屋根裏を見るまで分からない部分もあり
お見積り以外に更に予定外の出費がある可能性を
予めS様にお話していました。

あれだけ雨漏りがしていたにもかかわらず、思ったよりも下地は傷んでいません。
屋根裏に落ちている土も乾燥しています。

あれ？なんでかな？？？

そう思いつつ作業を進めていると、
ちょうど雨漏りのしていた付近の屋根裏から
発泡スチロールの入れ物が出て来ました。
中には満々と水が・・・雨水以外の何物でもありません。
そしてその周辺にはブルーシートも敷かれていました。

この入れ物・シートのおかげで、下地はさほど傷まず済んだのです。
S様にお聞きしてみると
「僕じゃない。身に覚えがない」とのお答え。
以前住まわれていたS様のご家族の方が屋根裏に設置したのかな？
事の真相は謎のまま。

ご先祖が家を守ってくださったのでしょう。
時を超えてS様のご先祖の想いに触れたようで
感慨もひとしお。

無事屋根下地を拵え

防水シートを貼り

ガルバ鋼板の下端(唐草)を取り付けたころ・・・

お隣さんが
「どんな工事をしているか見たい。ウチの屋根も心配」と声をかけてこられました。
足場に上って、工事の実際を見たいとのご希望。

一般のお客様なら、足場に上るのはご遠慮いただくのですが
大工さんをなさっているとのこと。
それならばと、足場に上り見て頂きました。

長屋ならではの心配かもしれません。
お隣とくっついているので、
私たちがどんな工事をしているのか気になるのは当然のこと。
境界の雨仕舞を気にしておられたのです。

「これなら大丈夫やわ」と　お墨付きを頂き、

最終ガルバ鋼板を貼り、屋根工事は完了です。

外壁工事

現況の壁の上から下地を拵え

防水シートを貼り

ガルバリウム鋼板の角波外壁でカバー

裏面はさらに複雑で難しかったようです
まずは使っていない付属物の撤去・片付けから始まり

同じく桟を打ち、地を拵え、防水シートを貼り

ガルテクトを取り付けました。

こうして無事に
工事完了

外壁
施工前（玄関面）

工事完了後(玄関面）

施工前（裏面）

工事完了後

屋根
施工前

工事完了後

近隣の皆様の協力無しでは到底不可能な工事でした。
ご近所、両隣、路地の皆様、
そして何より敷地を快く提供してくださった裏の２件の方
どうもありがとうございました。

足場解体の挨拶に回っていると、
皆が口を揃えて「キレイになって良かったね」と声をかけて下さいます。
近隣の皆さまが以前からS様邸の傷み具合を気にかけておられたこと、
そして今回の工事を温かく見守ってくださっていたことを知りました。

本当にありがとうございました。

そしてＳさま、
工事着手前には私達と一緒に近隣の挨拶に回られ
S様自ら先頭に立って近隣の方へ声をかけてくださいました。
「なんとしても工事をする！」
そんなS様の決意を見た思いがしました。
工事が終わり、ドッとお疲れが出ていなければ良いのですが・・・。
Sさまのお人柄に何度も助けられ、無事、工事完了に至りました。
ありがとうございました。